ザシアン - ポケモン対戦考察まとめWiki|最新世代(スカーレット・バイオレット)

ザシアン [編集]

No.0888
・れきせんのゆうしゃ
タイプ:フェアリー
特性:ふとうのけん(戦闘時に1度だけ、場に出たときに攻撃ランクが1段階上がる)
体重:110.0kg(けたぐり・くさむすびの威力100)

・けんのおう
タイプ:フェアリー/はがね
特性:ふとうのけん(戦闘時に1度だけ、場に出たときに攻撃ランクが1段階上がる)
体重:355.0kg(けたぐり・くさむすびの威力120)
ザシアンHP攻撃防御特攻特防素早合計種族値特性
ザシアン9212011580115138660ふとうのけん
ザシアン(剣王)9215011580115148700ふとうのけん

※第九世代で種族値が下方修正(れきせんのゆうしゃ:攻撃130→120、けんのおう:攻撃170→150)


勇者(フェアリー)剣王(フェアリー/はがね)
ばつぐん(4倍)-------
ばつぐん(2倍)どく/はがねほのお/じめん
いまひとつ(1/2)かくとう/むし/あくノーマル/くさ/ひこう/いわ/こおり/あく/フェアリー/エスパー
いまひとつ(1/4)---むし
こうかなしドラゴンどく/ドラゴン

第八世代禁止伝説の一体で、ザマゼンタと対になるフェアリータイプの伝説ポケモン。
くちたけんを持たせることで「けんのおう」フォルムになり、種族値が上昇しフェアリー×はがね複合に変化する。

種族値配分はまさに理想的な物理アタッカーで、ふとうのけんにより実質攻撃種族値は更に上昇。
素早さも一般ポケモンではマルマインヒスイマルマイン)とレジエレキ以外を悉く抜き去り、禁止級を含めても黒馬バドレックスが追加されるのみ。
耐久指数についても平均以上で、半減以下11という恵まれた複合により、防御面も数値以上。
第八世代ではランクマッチで解禁されて以降、対戦環境における最上位の一角に君臨しており、火力・耐久・素早さすべての指標となっていた。

唯一といっていい欠点は技範囲の狭さ。一致物理技では威力100の専用技・きょじゅうざん以外は威力か命中に不安を残す。
サブウェポンもインファイトはともかく、他は威力が低いこおりのキバ、先制技ながらでんこうせっか、反動のあるワイルドボルト程度。
変化技もつるぎのまい、みがわり程度と狭く、また持ち物がほぼ固定のため、戦法はほぼ上から物理で殴る以外の選択肢が無い。

強力ではあるが、やれることが分かりきっているため、スカーフやタスキ、トリックルームなどによる縛り関係の逆転、いたずらごころによる麻痺・火傷の付与、
てんねんによる能力上昇の無効化、かわりものメタモンによるコピーなど、現実的な対策は少なくない。
一方でザシアン側も耐久や素早さを調整し、対策の対策を講じることもできるため、採用できるルールでは常にメタを読むのが運用の上でも対策の上でも重要となる。

第九世代では両フォルムの攻撃種族値と特性に下方修正が入った。
特に特性の弱体化が痛く、サイクル戦適性が大きく低下。優秀な耐性を活かしにくくなった上にいかく持ちポケモンが一転して苦手な相手となってしまった。
また禁伝メタのヌケニンが不在の中、ラウドボーンヘイラッシャといった高種族値のてんねん持ちが登場。タイプ相性的にも不利で、少々動かしにくくなった。

技方面で失った有用なものはきあいだめ程度。
新たに習得した技でめぼしいのは、素早さを上げながら攻撃できるくさわけ、くさに有効打となるどくタイプのどくづき程度か。
DLCではソーラーブレードを再習得。禁止級の晴れ始動要員としてコライドンが加わっているため、構築次第では積極的に採用できる。

テラスタルについては、テラバーストによって攻撃範囲を補える一方、優秀な耐性を捨てることになる点に注意。



形態考察 [編集]

れきせんのゆうしゃ [編集]

単フェアリータイプ。種族値はザマゼンタと全く同じ。
道具を自由に持てるのでカスタマイズ性に優れるが、剣の王の高速物理ATとしての汎用性が高いのも事実。
あえてこちらの採用する場合はひと工夫必要になるだろう。

なお、ほかのポケモンから「くちたけん」をトリック・すりかえ・きょうせいで受け取ろうとしても失敗する。

けんのおう [編集]

フェアリー・はがねタイプ。勇者フォルムに「くちたけん」を持たせることでフォルムチェンジ?
道具の固定というデメリットこそあるが、変化技のレパートリーが狭くアタッカーとしての運用が主なザシアンにとってはむしろ長所を伸ばす強化といえる。
ザマゼンタと違って能力値の低下も無い。

フォルムチェンジは戦闘に入った時点で自動的に行われるため、対戦中任意にフォルムを変えることはできない。
プレートを持たせたアルセウス等と同じく、ほかのポケモンからのトリック・すりかえ・どろぼう・ほしがる・はたきおとす・ふしょくガスによって道具を失わない(はたきおとすの威力上昇も起こらない)。
ただし、ポルターガイストは通常通り受けるので覚えておきたい。

特性考察 [編集]

ふとうのけん
両フォルムの共通特性。隠れ特性はなく、これのみ。初めて場に出たときに攻撃ランクが1上がる。
純粋にアタッカー性能が強化されるほか、いかく対策としても働く。

けんのおうで発動すると、攻撃無振りでもA種族値235相当、A振りだと251相当になる。
この形態のきょじゅうざんの威力は火力指数45450。
デメリットなし・1ターン目から出せる火力としては最高峰であり、つるぎのまいで更に補強が可能。

なお耐久調整して攻撃力を減らす場合、攻撃実数値が偶数になるようにすると、攻撃ランク上昇時に実数値0.5の無駄が出なくて済む。

第九世代では弱体化が入り、1回の戦闘につき1回のみの発動となった。
同じく弱体化が入ったへんげんじざいリベロと異なり、引っ込めてから再度場に出しても再発動はしない。
さいきのいのりで復活してから場に出た際も同様に再発動しない。
そのためサイクル戦適性が低下している。

技考察 [編集]

物理技タイプ威力
[剣王]
命中効果解説
じゃれつく90(135)90攻撃↓10%命中不安の一致技。
高威力でピンポイントな相手、主にHBサンダーへの打点として有効。
きょじゅうざん100[150]100-剣王限定の一致技で、戦闘中にアイアンヘッドから変化する。
ポイントアップによるPP上昇も適用される(最大8)。
インファイト120100BD↓呼びやすい炎と地面タイプへの打点候補の一つ。特に炎への打点は貴重。
火力に申し分ないが、耐久が下がる。
耐久に振ることで特定のスカーフ炎技を耐えてからインファイトで倒したり、
メインウェポンきょじゅうざんの鋼タイプ受けを許さない有用な技。
せいなるつるぎ90100-インファイトと選択。耐久が下がらず、相手の防御・回避率上昇の影響を受けない。
伝説戦ではふくつのたてやてっぺきに強い。つるぎのまいと相性抜群。
第九世代ではザマゼンタの強化、ブリジュラスの台頭で優先度が上がった。
ワイルドボルト90100反動1/4ドヒドイデ鋼/飛など、ザシアン受けへの対抗策。
こおりのキバ6595凍り10%
怯み10%
対HBランドロス。呼びやすい地面タイプ、飛行受けへ有効。
ワイルドボルトより威力は低いが、攻撃範囲は広い。
かみくだく80100B↓20%対超霊。防御ダウンでラウドボーンてんねん対策に。
サイコファング85100壁破壊ムゲンダイナドヒドイデ。リフレクターの破壊にも。
ほのおのキバ6595火傷10%
怯み10%
インファイトが等倍以下の鋼であるハッサムサーフゴーに。
あなをほる80100溜め技唯一の地面技。
剣王はパワフルハーブを持てず、使用中はじしんを倍の威力で受けるので注意。
どくづき80100毒30%対草。毒が入れば火力の補強にもなる。
くさわけ50100素早さ↑100%ヌオーなど水地相手に。積み技感覚で使える。
でんこうせっか40100優先度+1唯一の先制技。威力は低いが使いやすい。
タスキ&がんじょう潰しやふいうち警戒に。
特殊技タイプ威力
[剣王]
命中効果解説
ムーンフォース95(142)100特攻↓30%一致技。性能安定。ふういんして相手の技を使用不能にする時にも。
てっていこうせん140[210]95HP1/2消費一致技。起点化されそうになった場合の退場用。
バークアウト5595特攻↓100%サポート技。身代わり貫通。ダブルでは相手全体攻撃。
テラバースト80<120>100-テラスタル時にタイプが変化し、AとCを比べて高い方でダメージを与える。
変化技タイプ命中解説
つるぎのまい-特性とセットでAランク+3。全抜きを狙う。
みがわり-状態異常の回避に。Sが高いので先手で設置できることも多い。
まもる-ダブル用。基本技。
ファストガード-ダブル用。フェイント以外の先制技を防ぐ。
ふういん-ダブル用。インファイトやムーンフォースを封印できれば美味しい。

テラスタル考察 [編集]

タイプ主な技解説
でんこうせっかゴースト無効。
黒馬バドレックスピンポイントだが禁止級トップメタであるため一考の余地はある。
ほかでんこうせっかの火力上昇。
ほのおのキバ
テラバースト
対炎、更に火傷無効。コライドンと組ませるのも手。地面が一貫する。
テラバースト炎と地面に抜群、更に水も見られる。
ただしカイオーガの水テラスしおふきには半減でも7割持っていかれる。電気は一貫。
ワイルドボルト
かみなりのキバ
麻痺対策。ミライドンにタダ乗りできる。
ヘイラッシャを確2にできる点もあるが、反動ダメージがキツい。
地面が一貫する。
くさわけ
テラバースト
対水・地面。炎が一貫する。技次第ではランドロスやHBヌオーにも非常に有利に。
こおりのキバ
テラバースト
4倍弱点狙いでもなければ、ドラゴンにはじゃれつくで良い。
耐性も劣悪で、炎が一貫する。
インファイト
せいなるつるぎ
受けに来た鋼をインファイトで粉砕、打点もテラスじゃれつくと同等。
耐性は良くないが、ノーマルアルセウスへの最高打点。
どくづき地面が一貫する。
あなをほる
テラバースト
でんじは無効。テラバースト採用でミライドンラウドボーン、ミラー対面に。
炎対策にもなり、水と異なりコライドンの影響を受けない。
フェアリーと合わせると範囲が優秀になるが、電気無効はあれど耐性は弱い。
テラバースト地面を透かしつつ、つるぎのまいを積む場合に。
サイコファング解説
テラバースト炎が一貫する。
テラバースト地面が一貫する。
テラバーストカウンター対策。
テラバースト禁止級に多いドラゴンに弱くなるので非推奨。
炎半減目的ならほかのタイプで。
かみくだくいたずらごころ対策。主に対黒馬バドレックス意識。
かみくだくでラウドボーンを確2、ルナアーラの特性も貫通できるが、日食ネクロズマは一撃で倒せない。
きょじゅうざん
てっていこうせん
大部分の耐性を残しつつ最大打点のきょじゅうざん強化。
A特化A+1きょじゅうざんで無振りムゲンダイナ確1。
特性がなくてもA特化でH振り白馬バドレックスを約7割の乱数。
じゃれつく一致技強化。勇者フォルムにも。
特性発動時ならカイオーガレシラム等Bが薄めの禁伝を耐久無振りならA特化で確1。
HP振りのみならカイリューをマルチスケイル込みで93.75%の超高乱数1発。
また、じしんを等倍で受けて切り返したいときなどにも。
ステラテラバースト元の優秀な耐性を維持して火力を伸ばせる。

型考察 [編集]

れきせんのゆうしゃ [編集]

こだわりスカーフ型 [編集]

特性:ふとうのけん
性格:いじっぱり
努力値:A252 S調整 残りH
持ち物:こだわりスカーフ
確定技:じゃれつく
選択攻撃技:ワイルドボルト/インファイト/かみくだく/サイコファング

剣の王は最速でも実数値220だが、勇者ならS無補正無振りでスカーフを持つだけで実数値237(最速スカーフカイオーガ+3)。
76振りで最速スカーフ100族、92振りで最速スカーフガブリアスを抜ける。220振りで最速レジエレキ抜き。
剣王には及ばないが、破壊力としては十分、じゃれつくが等倍で通る相手はだいたい確2圏内で、H振りグラードンでやっと中高乱数2(62.5%)。
Hに余剰を回せるので耐久もそこそこ確保できる。ただし剣王のきょじゅうざんなら確1にできていたラインからはだいぶ後退している。

最大の欠点は自身が剣王を苦手とすること。
A特化インファイトで無振り剣王が確定2、返しのきょじゅうざんで耐久にどれだけ振ろうが確定1なので、対面からではどう足掻いても勝てない。
後続にメタモンヌオーなどのザシアン対策ポケモンを用意しておくと動きやすくなる。

こだわりハチマキ型 [編集]

特性:ふとうのけん
性格:ようき
努力値:AS252
持ち物:こだわりハチマキ
確定技:じゃれつく
選択攻撃技:ワイルドボルト/インファイト/かみくだく/サイコファング

鉢巻を持たせることで瞬間火力を高めた型。
基本的にはけんのおうフォルムでも十分な火力を出せ、融通が利く。

いのちのたま(1.3倍)未満のアイテムでの火力指数は剣王フォルム以下。
いのちのたまでも火力指数はそこまで変わらないので、速度と耐久を削ってまで持たせるメリットは薄い。
どうしても単フェアリー物理アタッカーが欲しい場合を除き、こだわりアイテム以外で採用する理由は薄い。
↑一応、オボンのみやラムのみ、ダブルのコンボ用のアイテムなども考えられる。積みアタッカーをきあいのタスキで耐えて処理する場合も。

けんのおう [編集]

物理アタッカー型 [編集]

特性:ふとうのけん
性格:ようき/いじっぱり
努力値:S252 A252 or 耐久調整、残りA
持ち物:くちたけん
確定技:きょじゅうざん
優先技:インファイトorせいなるつるぎ/じゃれつく/でんこうせっか/つるぎのまい
選択攻撃技:ワイルドボルト/サイコファング/かみくだく/ほのおのキバ/こおりのキバ/テラバースト(炎・水・草・地面など)
選択変化技:みがわり

第九世代で削られたものの、A種族値が非常に高いため、多少削っても確定値に影響は出にくい。
ほえるなどで流された際を想定するなら、つるぎのまいも併用する。
そうでない場合は交代が命取りとなるので、バトンパのエースをイメージした運用を心掛けたい。

素早さはスカーフエースバーン等を意識して若干振ると、返しのインファイトで倒せるため、耐久に回すことも視野に入る。
無補正無振りでも最速100族抜きなので、調整の幅が広い。

技範囲を広げるためにじゃれつくを切る選択は有効。
鋼技、格闘技、電気or氷技を採用した段階でフェアリー技を高火力で通したい相手はサンダーくらい。

耐久調整するなら、エースバーンやガブリアスなどのピンポイントザシアンメタを意識して行うと、相手の役割を破壊して試合全体として勝ちやすい。
HBにかなり厚く振ることでランドロスにも強く出られる。

  • 素早さ調整について
    最速:最速+1ギャラドス抜き,ミラー対策
    補正ありS220振り:準速+1霊獣ランドロス抜き
    補正ありS212振り:準速90属+1,最速ドラパルト抜き

くさわけ型 [編集]

特性:ふとうのけん
性格:いじっぱり(推奨)/ようき
努力値:A252 素早さ調整 残り耐久
持ち物:くちたけん
確定技:きょじゅうざん/くさわけ
優先技:みがわり/インファイトorせいなるつるぎ/じゃれつく
選択攻撃技:ワイルドボルト/かみくだく/こおりのキバ/でんこうせっか
選択変化技:つるぎのまい

くさわけによって素早さを上げてから戦う型。
1ターン相手に行動機会を許してしまうが、それ以降は平凡なすいすい持ちをも追い抜くスピードで全抜きを仕掛けられる。

くさわけを使う都合上、つるぎのまいを採用するのは技スペース的に厳しいが、その分攻撃を多く振って役割を増やす。
ヌオーに対して非常に有利なのも利点。HB特化でも6~7割程度削れる。

それでもラウドボーンヘイラッシャが壁として立ちはだかるのは相変わらず。
テラスタイプで強化した弱点技なら確2にできるものの、どちらか片方は諦めざるを得なくなるので運用には注意したい。


相性考察 [編集]

  • サザンドラ
    炎半減・地面無効。一貫するのは格闘と鋼のみ。
  • クレセリア
    高耐久・地面無効。ザシアンが火傷を負ってもみかづきのまいで再出撃させられる。
  • ギラティナ(オリジン)
    ザシアンの弱点を半減以下で受けられ、こちらの弱点もザシアンでカバーできる。
    禁止級が2匹以上使用可能なルールで。

対ザシアン [編集]

注意すべき点
禁止伝説級最速クラスのS148と攻守に優れた妖鋼複合タイプ。
第九世代で弱体化したとはいえ、特性やA種族値の関係で一発目のダメージ量は致命的なレベル。
一般ポケモンでは到底受けきれない火力を持つので、安易な後出しはしないこと。
不一致弱点程度では落とせない耐久力も持ち合わせている。
対策方法
けんのおうはくちたけん以外のアイテムを持てないため、やけどやマヒの状態異常が有効。
ダブルであればねこだましでの妨害も確実に通る他、トリックルームも有利。
つるぎのまいからの物理攻撃以外に型がなく連続技もないので、タスキカウンターが有効。ただしそれを見越してでんこうせっかやみがわりから入ってくることもあるので注意。
状態異常やねばねばネットでの弱体化、おいかぜなども有効。
だがザシアンを通すためにステルスロックを撒かれることも少なくないため、基本は弱体化からの撃破を狙うべき。
火力がランク上昇前提のため、てんねん+鋼技が通りにくいラウドボーンヘイラッシャあたりで簡単に対策可能。
ふとうのけんの発動が1回きりになったため、一度流せば火力はガタ落ちする。いかくポケモンを組み合わせたサイクル戦に持ち込めば有利を取りやすい。
+  対策可能な禁止伝説ポケモン(一例)
+  対策可能な一般ポケモン
+  有効な戦術

外部リンク [編集]